和気町歴史民俗資料館コラムvol.3 

 こんにちは、和気町歴史民俗資料館です!

 和気町尺所にある重要文化財旧大國家住宅には膨大の量の古文書が残されており、その中には 分家のものも含めて現時点で40点を超える家相図が残されていることがわかっています。現在、 会期を延長している企画展では、享和3年(1803)~明治23年(1890)の家相図5点と、家相 の覚書1点を展示しています。

家相とは、古代中国で生まれ日本に伝わった家の間取りや方位等から吉凶を判断する占いのひ とつで、家相図はそのために描かれた図のことを指します。家の良し悪しが家族や子孫の運命を左 右すると考えられ、江戸時代末期から明治時代には人相・手相などとともに占いブームも到来し ました。「鬼門」の方角に便所を作ってはいけない、という話をどこかで耳にしたことがあるか もしれませんね、これも家相による説のひとつです。

また、その家相をみる占い師を「家相見」といい、展示資料にも県内外の家相見の名前が書か れていることから、大國家は頻繁な増改築の都度複数の家相見から意見をもらって間取りを検討 し、苦慮したことが伺えます。

家相図を間違い探しのように見比べるもよし、保存修理の映像展示と併せて当時の家の中を妄 想するもよし、自由に鑑賞してみてください。 

次回は、保存修理工事と並行して行われている古文書調査の現状についてご紹介します! 

中村暁子 プロフィール

和気町歴史民俗資料館学芸員。考古、民俗、建造物など幅広く和気町の歴史に関する調査・保存・展示等行う。