こんにちは!和気町歴史民俗資料館です!
今回も、和気町尺所にある重要文化財旧大國家住宅に伝わる古文書についてご紹介します。
旧大國家には推定6万点超とされる膨大な量の古文書が残されており、平成21年度(2009) から岡山大学文学部日本史研究室の協力のもと調査を進めています。令和6年度末時点で約9割 の調査が完了しています。
その中には、大國家に岡山藩池田家の関係者が宿泊や立ち寄った際の記録も残されています。 その記録から、藩主が両谷(現備前市の閑谷と和意谷にある池田家墓所)を訪れるために宿泊 した際に、家人でさえ滅多に立ち入らない「御成の間」という賓客用の部屋が使われていたこと がわかっています。『御宿割』(画像参照)によると、安政7年の宿泊では、本陣の大森武介宅 に33人も宿泊しており、この時は周辺の下宿も含めると合計92人にもなる御一行だったようで す。 大國家には上質な漆塗の食器や寝具などが大量に保管されており、このような来客や接待にも 対応できるよう調度品も備えられていたようです。とはいえ、受け入れが決まってからの準備や 段取りなどは念入りにせねばならず、家族総出、いや、村総出の大仕事であったことに違いありま せん。
自宅に33人宿泊…しかもお殿様の接待…現代に置き換えて想像すると少しゾッとしますね (笑)
「御成の間」
池田出羽様宿泊関係書類 紙袋
池田出羽様宿泊関係書類 御宿割, 安政7年
池田出羽様宿泊関係書類 御宿割, 安政7年